NBAプレーオフ、東は不穏なムード。キャブス敗退ならレブロン移籍か (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

フィラデルフィア・76ers(3位/52勝30敗)
vs.
マイアミ・ヒート(6位/44勝38敗)

 現在、リーグでもっとも勢いがあるのは76ersだ。16連勝でレギュラーシーズンを終え、しかも後半の8連勝はエースのジョエル・エンビード(C)を欠いての成績である。

 2017年ドラフト全体1位のマーケル・フルツ(PG)は肩の故障などでレギュラーシーズン出場14試合にとどまったが、レギュラーシーズン最終戦となったバックス戦で25分の出場ながら13得点・10リバウンド・10アシストをマークし、リーグ史上最年少19歳11ヵ月でトリプルダブルを記録。待望されたフルツの復帰で76ersのチーム力はさらにアップした。

 しかし、圧倒的に76ersが有利なわけではない。現在、エンビードは眼窩底(がんかてい)骨折で欠場中で、ヒートとのファーストラウンドに出場できるか微妙な状況だからだ。

 さらにヒートには、「リーグ屈指のビッグマン」ハッサン・ホワイトサイド(C)がいる。ホワイトサイドはスモール・ラインナップを敷くチームの方針に不満をこぼしているものの、76ers戦でインサイドがストロングポイントになることは明白だ。日ごろのウップンを晴らす活躍が期待される。

 また今年2月、NBAチャンピオンに3度導いた英雄ドウェイン・ウェイド(SG)がキャブスから復帰している。76ersとのレギュラーシーズンの対戦成績は2勝2敗だが、ウェイド復帰後はヒートが2連勝中だ。2月27日の対戦でウェイドは残り時間5.9秒に逆転弾となるジャンパーを沈め、27得点をマークしている。

 シード的には76ersが上位でも、ウェイドが復帰したことによって精神的上位にいるのはヒートではないだろうか。

クリーブランド・キャバリアーズ(4位/50勝32敗)
vs.
インディアナ・ペイサーズ(7位/48勝34敗)

「昨季のイースタン覇者」=レブロン・ジェームズ(SF)率いるキャブスがレギュラーシーズンをカンファレンス4位で終えるなど、誰が予想できただろう? しかもキャブスは、開幕直後と現在でロスターを一変させている。今季開幕からなかなか波に乗れないでいると、アイザイア・トーマス(PG/ロサンゼルス・レイカーズ)、デリック・ローズ(PG/ミネソタ・ティンバーウルブズ)、ドウェイン・ウェイド(SG/マイアミ・ヒート)らスター選手をすべて放出。大胆にもシーズン中の再建に踏み切った。

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