2018.03.12

ポールとハーデンが出場なら
ロケッツは勝率9割。2人がいたら降参だ

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

 クリス・ポール(ヒューストン・ロケッツ/PG)は子どものころ、アレン・アイバーソンに憧れていた。彼のようなちびっこガードにとって、そのスキルで自分より大きな選手を翻弄し、思うままを貫くアイバーソンは特別な存在だったのだ。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

ロケッツを牽引するクリス・ポール(左)とジェームズ・ハーデン(右)「誰よりも、AI(アイバーソン)から一番影響を受けたと思う」とポールは言う。

 アイバーソンのようになりたいと、クロスオーバーやシュートを練習した。背番号に3を選んだ理由のひとつも、アイバーソンだった。

 憧れると、格好もマネしたくなるのは自然な流れだ。しかし、ポール家では両親が厳しく、ピアスもタトゥーもダメだと言いわたされていた。そこで、せめてアイバーソンのようにブレイドを編み込もうと、髪を伸ばした。ようやく伸びた髪でブレイドを結い、その姿で試合に出るつもりだった。

 ところが、これは結局、未遂で終わってしまった。試合を観に来た父が息子のブレイドヘアに気づき、「その頭でコートに立つのは絶対にダメだ」と怒られてしまったのだ。

 結局、試合前にトイレでブレイドをほどき、結った後のウェーブが残った髪で試合を戦ったという。間もなくポールは髪を短く切り、「アイバーソンのようになる」という夢は絶たれてしまった。

 それでも、今もポールのなかにはアイバーソンがいる。

「彼がプレーするときに見せる闘志が大好きだった。いつでも反骨心をもってプレーしていた。僕も、同じような感じでプレーしていると思う」と、ヒーローと自分を比べた。

 たしかにポールは、アイバーソンと同じような負けん気を持っている。時として、その気持ちの強さが裏目に出てしまうこともあるが、それでも、勝つためのプレーすることが何よりも大事だという価値観は揺らぐことはない。頑固なところも、まわりに何と言われようと信念を貫くところも、アイバーソンにつながるものがある。