田臥勇太、36歳の今も「NBAサンズでの、あのワンプレーを考える」 (4ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Sportiva

『歳を取ったから、これがダメだ、あれもダメだ』じゃなくて、『歳を取ったから、こうなるんだ』という発見を楽しむというか。できないことを考えるんじゃなくて、やらなくてはいけないこと、できることを探す楽しみがある。だから、ほんと今、楽しいんです。プレーでもそうです。今、よく考えるのは、『いかにプレーを遅くできるか』ってことです。以前なら、そんなことは絶対に考えてない」

 日々のすべてをバスケに捧げる。では、それに見合う喜びを、田臥はどんな瞬間に感じているのか?

「うーん。バスケットボールがバスケットに入る瞬間が何よりも幸せですね。そのためにディフェンスだったり、オフェンスの組み立てだったり、パスやスクリーン、全部のプレーをやっているわけで。プレーだけじゃなく、練習や練習前後のストレッチ、身体のケアもそうです。バスケットボールがリングを通過する喜びのために、すべてをやっている気がします」

 さらに田臥は、「全部がつながっているような気がする」と続けた。

「大きなことを言えば、人との出会いも、次に決まるシュートに全部つながっている気がするんです。だから出会いや、もらったチャンス、いろんなことに感謝しなくちゃいけない。当たり前のことなんて、ひとつもなくて。

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