田臥勇太がバスケを語る。
「やればやるほど難しく、それが楽しい」
田臥勇太インタビュー@前編
2016年9月22日、18時55分――。記念すべきBリーグ開幕戦、アルバルク東京vs.琉球ゴールデンキングス。会場となった代々木第一体育館のコートを、観客席を、リンク栃木ブレックスの田臥勇太はテレビ解説席から見渡していた。
「ついに日本のバスケットも、こんな時代になったんだ」
それは、大きな喜びに、ほんの少しの嫉妬を混ぜた感情だった。
36歳になった田臥勇太に現在の心境について聞いてみた「満員の客席と、会場の雰囲気......。バスケットボールで代々木第一があんな状態になったのを、僕は見たことがなかったので、ものすごくうれしかったです。バスケットボールを好きな人が、こんなに集まってくれたんだって。同時に、コートに立っていた2チームの選手が本当にうらやましかった」
10月29日、田臥は秋田ノーザンハピネッツとの試合のため、高校卒業以来17年ぶりに能代(のしろ)の地を踏む。そして、そこが自身の原点であることを再確認した。
「おじいちゃんもおばあちゃんも会場に足を運んで、バスケットボールを楽しんでくれました。能代ならでは、ですよね。バスケを感じられる町って、全国でもなかなかない。さすが能代だなと思いました。改めて、ここで高校時代を過ごしたから、今があるんだなって。この町だから、バスケに集中できた。ほんと、なーんもないんです。それこそが能代のよさで、僕には合っていた。バスケに集中できる環境なんで」
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