選手たちに聞いてみた「Bリーグになってバスケ界は変わったか」 (5ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 しかし、こんな場面になることがまれな日本では、このルールの存在すら知らない選手が多かった。遡れば、2000年3月にもJBLプレーオフ1回戦、三菱電機対トヨタ自動車でファイティングによる失格・退場処分は起こっている。当時は、三菱側に試合できる選手が4人しか残らなかったために「続行不能」との申し入れがあり、試合が成立せずに没収試合となった。競技規則により20-0でトヨタの勝利となったが、試合不成立という点では今回以上に後味は悪かった。ただ、2000年当時はさほど報道もされなかったことから、現地で試合を見た人くらいしか記憶には残っていないだろう。

 今回は、プロリーグとなって情報発信と報道が盛んな中で起きたため、話題としてすぐに広がった。審判スキルの向上を図るのはもちろんのこと、この件で焦点を当てるべきはプロリーグや選手として、反スポーツマンシップ行為の防止と競技規則の認知と徹底だ。今後、このようなことが起きないように教訓とするしかない。

「自分たちは仲間を思うあまりの行動で悪いことをしたわけではないと思っているのですが、ルールを理解していなかったことは反省しています。見に来てくれた方に申し訳ないという気持ちはチーム共通の思いです。今回の件で報道が多く出たことで改めて感じたのが、Bリーグになって、一つひとつの行動や発言が観客に見られているということ。プロなんだから当たり前のことですが、そこは責任を持たなくてはならないし、今後もコートでしっかりと自分のプレーを見せたい」(A東京・SG田中大貴)

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