NBA今季の珍事。なぜスリーポイントがこんなにも入るのか (5ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 当初は「別大陸での試合はカウントしない」というルールを制定する予定だったが、最終的には委員による投票で、現役引退から4シーズンで殿堂入りの資格を有する運びとなった。この変更によって、アイバーソンだけでなく、本来ならば2017年に資格を有するはずだったシャックやヤオも資格を有することに。この3人と比較されれば、どうしても、ウェバーらの影はかすんでしまう。

 もちろん来年、殿堂入りできる可能性は十分にある。しかし、ジェイソン・キッドやスティーブ・ナッシュ、さらにはコービー・ブライアントなども、数年後に資格を有すようになる。今年の規定変更で生じた歪みのせいで、殿堂入りを逃す元スター選手が生まれなければいいのだが......。

(5)新時代到来。「スリーポイントを制すチームがリーグを制す」

「リバウンドを制する者はゲームを制す」のフレーズは懐かしいが、近年のNBAでは、「スリーポイント(3P)を制すチームがリーグを制す」が格言になりつつある。

 1試合における3Pシュートが放たれる本数は年々増え続け、1993−1994シーズンには1チーム平均9.9本だったのに対し、今季は平均24.1本まで上昇。つまり、約20年で2.5倍もの3Pが打たれるようになっている。

 今季、1試合でもっとも多くの3Pを打ったのは、ウォリアーズの平均31.6本。今年のファイナルを制したキャブスの29.6本もリーグ3位だったことからも、いかに3Pが勝利のために大事な攻撃オプションなのかがわかる。

 現在、3Pの代名詞といってもいいのが、ご存知ウォリアーズのステファン・カリー(PG)だ。今季のカリーは402本もの3Pを決め、自身が昨季記録した286本を大幅に更新し、1シーズンの3P成功数NBA記録も更新している。

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