NBA今季の珍事。なぜスリーポイントがこんなにも入るのか (2ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 12月1日、76ersはロサンゼルス・レイカーズをホームに迎えた試合で、めでたくシーズン初勝利を挙げた。ただしその試合は、今季かぎりの引退を表明していたフィラデルフィア出身のコービー・ブライアント(SG)の"凱旋試合"とも呼ぶべき一戦。コービーが点を獲るたびに「MVPコール」が巻き起こるなかでの勝利だった。76ersにとっては、試合に勝ったのに後味の悪い結果となった。

(2)新ブロック王誕生。「ムトンボ」がNBAに帰ってきた

 コンゴ民主共和国出身のプロ5年目、トロント・ラプターズのビスマック・ビヨンボ(C)が突如覚醒した。レギュラーシーズン成績は平均5.5得点・8.0リバウンド・1.6ブロックと、さほど目立った数字ではない。だが、シーズン終盤から驚くべき活躍を見せたのである。

 まずは3月17日、インディアナ・ペイサーズ戦で25リバウンドをもぎ取り、球団新記録を樹立。さらに、カンファレンス・ファイナルのキャブスとの第3戦では、それを上回る26リバウンドを記録して自らの記録を更新したのだ。

 ビヨンボを一躍有名にしたのは、リバウンド以上にブロックショットである。コンゴ出身といえば、3度ブロック王に輝いた経歴を持つディケンベ・ムトンボが有名だ。その彼がブロック後に人差し指を顔の前で振るジェスチャーは、今なお多くのファンが覚えているだろう。ビヨンボは、「ムトンボに許可を取った」とブロック後に同じジェスチャーをし、人気選手の仲間入りを果たしたのだ。

 カンファレンス・ファイナルではレブロン・ジェームズ(SF)、ケビン・ラブ(PF)などのダンクをブロック。カンファレンス・セミファイナルでもドウェイン・ウェイド(SG)の「完全に決まった」と思われたダンクを豪快にブロックし、フロアに倒れるウェイドに指振りを披露している。

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