【女子バスケ】39点差からの逆襲。リオのメダルへ強豪国に挑む3カ月 (4ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

「日本が戦いにきていて、かなり動かされていいポジションを取られた」とジョイスHCに言わしめたほど、1戦目に忘れていたディフェンスの意識が高まってきた。

 しかし、本番でしっかりと対応してくるのが強豪国。2年前、日本は世界選手権で対戦する国々と遠征で手合せをしたが、本大会ではスカウティングされて3戦全敗に終わっている。対応力のなさを克服しない限りはオリンピックでの上位進出は望めない。早い時期にオーストラリアと強化試合を組んだ意義はそこにある。課題を修正する時間はまだあるのだ。

 逆を言えば、日本は高さに慣れるために時間を要することをバスケファンが知るいい機会にもなった。観客にお披露目する国内での代表Aマッチ戦、しかも強豪と行なう試合の重要性を改めて実感した3連戦だった。

 アジア選手権のMVP渡嘉敷来夢を擁する日本チームの成長は著しく、高い目標を目指すにふさわしいチームであることは確かだ。しかし忘れてはならない。日本は20年前のアトランタ五輪の7位を最後に、世界選手権を含めた世界の舞台で決勝トーナメント(ベスト8)から遠ざかっている。高さに慣れたあとの試合に勝ち切るためには、さらにチーム力を高めていく経験が必要だ。

 メダルへの挑戦という目標に到達するためには、キャプテン吉田亜沙美(JX-ENEOS)が言うように、「これからの海外遠征ではチャレンジすることがたくさんあり、弱点を1つ1つ消していかなければならない」。

 世界2位のオーストラリアには、恥をかきながらも目覚めさせてもらった。あと3カ月、ここから目の色が変わるだろう日本がどこまで成長できるかが勝負だ。

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