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NBA最小175cmのアイザイア・トーマスが磨く「最強メンタル」 (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 2011年のドラフトでトーマスがサクラメント・キングスに指名され、NBA入りしたときもそうだった。同じポイントガードのカイリー・アービングがクリーブランド・キャバリアーズにトップ指名された、4年前のドラフトである。

 しかし、トーマスが指名されたのは、アービングの59人後となる全体60番目......。つまり、この年のドラフト最後の指名選手だった。普通に考えれば、開幕ロスターに残るのさえ難しい順位だ。それでも、狭きドラフトの隙間をするりと抜けたトーマスは、開幕ロスターに残っただけでなく、シーズン半ばにはスターターに抜擢され、チームになくてはならない選手だということを証明した。

 また、チャンスのドアが開きそうだと思ったら、思い切りよく飛び出しもした。ドラフトの2年後、フリーエージェントになったトーマスは、フェニックス・サンズから4年2700万ドル(約32億1000万円)の契約オファーを受けると、すぐに移籍を決意。すでにエリック・ブレッドソー、ゴラン・ドラギッチと、ふたりのポイントガードを抱えるチームだったが、ポイントガード中心のスタイルのサンズなら自分の持ち味を出せる、と判断したのだった。

 結果的に、この移籍は失敗に終わった。「ポイントガード3人体制」がうまくいかないと判断したサンズ側が、昨シーズン半ばにドラギッチに続き、トーマスをトレードに出したのだ。ボストン・セルティックスへのトレードを告げられたときは、動揺し、落ち込んだ。

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