【NBA】「新デニス・ロッドマン」の称号を手にしたのは? (2ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by Getty Images

【第9位】 ジョーイ・ドーシーにお願い「頼むからアンダーハンドに変えて!」

 今シーズンのヒューストン・ロケッツは、レギュラーシーズンでのフリースロー成功率が71.5%でリーグ30チーム中、下から4番目という惨たんたるもの。特に、インサイドの要(かなめ)であるドワイト・ハワード(C)のフリースロー成功率は52.8%と、自身のフィールドゴール成功率(59.3%)よりも悪かった。結果、故意にハワードへファウルを仕掛け、フリースローを打たせる「ハック・ア・ハワード(※)」という戦術が対戦チームの常套手段となっていた。

※ハック(Hack)=ボールを持っている選手の腕をはたく反則。

 そこでロケッツはたまらずハワードをベンチに下げると、控えのジョーイ・ドーシー(C)を投入。しかし、ドーシーはハワード以上にフリースローが下手だった......。ドーシーがレギュラーシーズンで放ったフリースロー数は83本。ただし、成功したのはわずか24本で、フリースロー成功率は28.9%。これは、今季レギュラーシーズンMVPのステファン・カリーがマークしたスリーポイントシュート成功率44.3%を、はるかに下回る数字である。

 そんな状況に嘆くロケッツファンは、プレーオフ開幕を目前に控えた4月13日、オンライン署名サイト『Change.org』でチーム宛に嘆願書の署名を募り始めた。その中身は、「ドーシーがアンダーハンドでシュートを打てば、フリースロー成功率は上昇するはず。少なくとも、今より悪くなることはあり得ない。この嘆願書に署名してドーシーにフォーム変更をうながし、ロケッツをサポートしましょう」というもの。すると、この募集に18時間で258件の署名が寄せられた。

 結局、ドーシーのフォームが変更されることはなかったが、プレーオフに入って2本のフリースローを放ち、1本を決めている。つまり、成功率は50%だった。

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