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【男子バスケ】W杯で「勝利の方程式」を学んだK・アービング

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko photo by AFLO

 8月30日から9月14日にかけてスペインで開催されていたFIBAバスケットボール・ワールドカップは、アメリカの2連覇で幕を閉じた。MVPに選ばれたのは、ポイントガードのカイリー・アービングだ。

ワールドカップでMVPに輝いたカイリー・アービングワールドカップでMVPに輝いたカイリー・アービング アービングはデューク大学時代のヘッドコーチ、マイク・シャシェフスキーの言葉にいつでも耳を傾ける――。

 2011年6月にクリーブランド・キャバリアーズからドラフト全体1位で指名されたころ、アービングは翌年のロンドン五輪にオーストラリア代表で出場することを真剣に考えていた。オーストラリアで生まれた彼は、アメリカとオーストラリア両方の国籍を持っていて、どちらの国から代表として出るかを選ぶことができる。そのころのアービングにとっては、選手層の厚いアメリカで代表になるより、オーストラリア代表のほうが現実的な話に思えたのだ。

 そんな彼に、オーストラリア代表として国際大会に出るよりも、アメリカ代表になれるチャンスを待つようにアドバイスしたのが、アメリカ代表のヘッドコーチでもあるシャシェフスキーだった。

 シャシェフスキーは、アービングに言った。

「君はこの先、アメリカの五輪代表になるぐらい、良い選手になれる。だから今は、その権利を手放さないほうがいい」

 その後、シャシェフスキーも2016年のリオ五輪までのアメリカ代表ヘッドコーチ続投を決意。つまり、再びコーチと選手として、タッグを組む可能性が出てきたわけだ。最後にはそれが後押しとなり、アービングはオーストラリア代表を辞退してアメリカ代表に選ばれる可能性に賭けた。

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