2013.12.06

JBAの育成とスラムダンク奨学金が見据える「日本バスケの未来」

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro

「あきらめたらそこで試合終了だよ」

 日本男子バスケの現状を見ても、安西先生(※)なら、そう言うだろうか?

(※)安西先生=漫画『スラムダンク』の主人公・桜木花道が所属する湘北高校バスケットボール部の監督。

 バスケットボール漫画『スラムダンク』が人気を博し、中高のバスケ部員が急増した1990年代。バルセロナ五輪でドリームチームが世界を魅了したのが1992年。田臥勇太(現リンク栃木ブレックス)が、日本人として初めてNBAのコートに立ったのが2004年。日本で世界選手権が開催されたのが2006年。日本男子バスケが飛躍する可能性を秘めたタイミングは、幾度もあった――。

エリートアカデミーに参加して、練習に励むジュニアたち そして2013年8月、日本男子はアジア選手権を9位で終えた。その1ヵ月後、2020年に東京での五輪開催が決定。「五輪をきっかけに、日本のバスケも飛躍するはず……」と考えるのは、楽観的過ぎる。IOC(国際オリンピック委員会)は開催国の出場に前向きだが、FIBA(国際バスケットボール連盟)は、相応の実力がない国の出場に関して後ろ向きのスタンスを取っている。アジア9位の現状では、出場国枠が保証される可能性は低い。実際、ロンドン五輪でのイギリス女子代表は、アメリカ人コーチを招集してチーム力の底上げに尽力し、ようやく開催国枠を手にしたと言われている。少なくとも日本男子は、アジア3位までの成績を残さなければ、自国開催でありながら出場枠を獲得できないというのが、多くの識者の見解だ。

 実状、日本人バスケット選手はサッカー選手のように、世界のトップリーグでプレイできる可能性が大きく開けているわけではない。

「うまくなりたい」

 そう強く思い焦がれるバスケットボール少年たちの熱量は、いつかどこかで霧散する。

 それでも、希望と言うには頼りないものの、微かな光も差し込んでいる。