【NBA】プレイオフ開幕。合言葉は「ストップ・ザ・ヒート!」

  • 永塚和志●文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

初の得点王に輝いたニックスのカーメロ・アンソニー。最強王者ヒートを止めることができるか?初の得点王に輝いたニックスのカーメロ・アンソニー。最強王者ヒートを止めることができるか?【NBAプレイオフ2013展望~イースタン・カンファレンス編~】

 どこがヒートを倒せるのか――。今プレイオフを語るうえで、話題はこのひと言に尽きる。

 今シーズン、NBAがマイアミ・ヒートを中心に回っていたのは、疑いようのない事実だ。球団新記録となるレギュラーシーズン66勝(16敗)を挙げ、第2シードを獲得したニューヨーク・ニックスとは12ゲーム差。イースタン・カンファレンスで圧倒的な強さを誇ったヒートは、驚異的な成績を残している。これから始まるポストシーズンで、「チャンピオン最有力候補」と言われるのも無理はない。

 昨シーズン、6年ぶり2度目の優勝リングを手にしたヒートは、1年経って一層強さを増した。シーズン中に、レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュの『ビッグ3』を故障で欠くことはあったものの、チームが崩れることはほぼ皆無。NBA史上歴代2位の記録となる27連勝を成し遂げるなど、快調に首位を走り続けた。

 ヒートの独走となった要因は、ライバルチームの戦力ダウンもあった。本来、上位を争っていてもおかしくないボストン・セルティックス(第7シード)がスターガードのラジョン・ロンドを、そして昨年第1シードのシカゴ・ブルズ(第5シード)がトップスコアラーのデリック・ローズを故障で欠き、それが独走を許したとも言える。よほど大きなトラブルでも起きない限り、ヒートが昨年同様、ファイナルまで上り詰める確率は高い。

 ただ、よく言われるように、ポストシーズンとレギュラーシーズンは「別物」だ。第1シードがプレイオフで早々に負けることは、過去の歴史で何度も繰り返されている。では、冒頭で述べたように、どこがヒートを倒すのか――。戦前の予想で最も評価が高いのは、1999年以来14年ぶりのファイナル進出を狙うニューヨーク・ニックスだ。

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