2013.03.28

【NBA】デリック・ローズ抜きのブルズに勝算はあるのか?

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi
  • photo by AFLO

デリック・ローズに代わるブルズの軸として、佐古氏はルオル・デンを推す 僕がブルズのヘッドコーチなら、テコ入れするのは、『オフェンス』です。今のブルズは、相手チームを80点に抑えようと考えず、逆に「90点を取られても、こっちは100点を奪いに行こう」という意識に切り替えたほうがいいのではないでしょうか。トム・ティボドー監督はディフェンス出身のヘッドコーチなので、ディフェンスについては選手に細かく指示をしていると思います。事実、2年連続でイースタン・カンファレンス1位になれたのは、その強固なディフェンスシステムのおかげです。しかし現状、70~80点しか得点を奪えないようでは、ゲームとして成立しません。選手たちも「ブルズはディフェンスありき」というイメージにとらわれているように感じます。ディフェンスのウィークポイントを潰すことも重要なことですが、僕ならあえて、少し強引でもオフェンス面をプッシュしたほうがいいと思いました。

 では、得点源だったローズ不在のブルズで、誰をオフェンスのファーストオプションに据えるのか。僕は、スモールフォワードのルオル・デンを推します。現在のブルズを見ていると、デンは『攻撃のワンピース』として扱われています。よって、単調にカットインでゴールを狙うプレイに終始し、得点もそれほど多く奪えていませんでした。しかし、身体が非常に強く、幅広いレンジからのシュートも可能なデンをオフェンスの軸におけば、1試合で20得点を稼ぐことは十分に可能だと思うのです。

 デンをファーストオプションとして起用するなら、カットインでのドライブと、コーナーからの3ポイントシュートで、まず10点は取れます。そして1試合で20点を取るため、それからさらに10点を上積みするプレイは、『フリースロー』です。フィジカルの強いデンを生かすなら、ファウルをもらってフリースローで10点取ることを考えたほうがいい。残念ながら、ローズのいない今のブルズには、華のあるプレイヤーがいません。派手に得点を奪って勝つこともできないでしょう。しかし、フリースローなどの泥臭いプレイで得点を伸ばすことができれば、ブルズは現状を打開できると思います。

 地味と思われるかもしれませんが、フリースローを決して侮ってはいけません。これは、非常に大事な戦略のひとつなんです。事実、フリースローが連続して決まり始めると、チームのリズムは格段に良くなります。もともとブルズは、一発の爆発力で得点を奪うチームではありません。どのチームと対戦しても、最後までぎりぎりの接戦を演じ、そして土壇場で競り勝つというのが、ブルズのスタイルです。対戦相手からすれば、それは実にやっかいな戦い方なんです。その最大のウリを忘れているような気がしますので、ブルズには泥臭いプレイを徹底してもらいたい。そのためには、フィジカルの強いデンが最も適任だと思います。