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【男子バスケ】チームUSA金メダルのためにレブロンが下した決断 (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

   実際、アメリカ代表としてプレイした経験は、レブロンを選手として大きく成長させた。例えば北京五輪のとき、コービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)とドウェイン・ウェイド(マイアミ・ヒート)が毎朝、早朝から専属トレーナーとワークアウトをしているのを見て、それだけの努力をする必要があるのだと気づいたという。今年、ドラフトされたばかりでアメリカ代表入りした19歳のアンソニー・デイビス(ニューオーリンズ・ホーネッツ)に対し、彼の大学のコーチであるジョン・カリパリが「アメリカ代表に参加することで2年ぐらい早く成長できる」と言っていたが、同じようにレブロンの成長速度も、それだけ早くなったはずだ。

 今回、アメリカ代表の最大の弱点は、サイズだと言われている。たしかにNBAでセンターとしてプレイしているのは、タイソン・チャンドラー(ニューヨーク・ニックス)ただひとり。ドワイト・ハワード(オーランド・マジック)やクリス・ボッシュ(マイアミ・ヒート)が故障で抜けたためだ。オリンピック前のエキジビションゲームでも、ブラジルやスペインを相手に、サイズ不足を感じさせる場面も見られた。

 そんなときに特効薬となるのが、身長203センチ・体重113キロ、パワーとスピードと敏捷性を兼ね備え、ポイントガードからセンターまでどのポジションでもこなせるオールマイティのレブロンだろう。

「チームUSAでの僕の役割は、マイアミと同じ。勝つために必要なことは何でもやる、ということだ」とレブロンは語る。「ビッグマンとしてプレイする必要があるならビッグマンをやるし、ポイントガードをやらなくてはいけなければやる」

 ロンドン五輪でも、アメリカは優勝の最有力候補だ。とはいえ、20年前の初代ドリームチームほどの圧倒的な存在というわけではない。スペインやアルゼンチン、フランスなどの強豪は、アメリカを倒せると思って挑んでくる。

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