【NBA】サンダーは新時代を作ることができるか!? (2ページ目)

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi
  • 高須 力●撮影 photo by Takasu Tsutomu Photo by AFLO

 ※チーム順位は各カンファンスでの順位 ※チーム順位は各カンファンスでの順位 個人的にイチ押しのロサンゼルス・クリッパーズは、ファーストラウンドのグリズリーズ戦を勝てば、けっこういいポジションまで上がれるかもしれません。このチームの不安材料は、大舞台の経験を持つ選手が少ないことです。プレイオフを勝ち抜く実力は備えているのですが、チームを牽引するブレイク・グリフィンも、デアンドレ・ジョーダンも、いかんせん経験不足。特にグリフィンは調子が悪いと、勝負どころでボールから逃げる傾向があるんです。そういう精神的なバラツキが、プレイオフのような短期決戦では勝敗を分けます。

 ただ、クリッパーズはリズムに乗ると非常に面白いチームなので、グリズリーズ戦を乗り切れば、精神的にも落ち着くのではないでしょうか。すべては司令塔クリス・ポールの腕次第。個人的にも大好きな選手なので、ぜひ若いメンバーを引っ張ってほしいですね。

 そして今、ウェストで「一番、勢いがあるな」と感じているチームは、デンバー・ナゲッツです。とにかく、ゲーム展開が面白い。ジャベール・マギーが好き勝手にやっている感じなんですよ(笑)。それまでのマギーは、能力は高い反面、どのチームでもアジャスト(順応)しづらいプレイヤーでした。でも、今のナゲッツにはすごくハマってます。こういう選手を勢いづかせると、非常に怖いですよ。もしかしたらファーストラウンドで、ロサンゼルス・レイカーズを食ってしまう可能性だって十分にあります。

プレイオフでは「勢いが大事」と語る佐古氏プレイオフでは「勢いが大事」と語る佐古氏 今回、プレイオフに進出したウェストの8チームは、本当に実力が拮抗しています。どこが勝ち上がるのか、予想しづらいというのが本音です。ただ、第2シードのオクラホマシティ・サンダーが今年、頂点を獲ることになったら、来年も連覇するかもしれませんよ。それぐらい、今年のサンダーは『時代を作れるチーム』になったと思うんです。ケビン・デュラントとラッセル・ウェストブルックのふたりが、今、乗りに乗っているので、サンダーにとっては今年がビッグチャンス。はたして、新時代を作るチームが誕生するのか、そういう意味でも今年のプレイオフは見逃せません。

取材協力:WOWOW
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プロフィール

  • 佐古賢一

    佐古賢一 (さこ・けんいち)

    1970年7月17日生まれ、神奈川県出身。179cm/ポイントガード。北陸高→中央大→いすゞ自動車→アイシン精機。日本を代表する司令塔として活躍し、『ミスターバスケットボール』と呼ばれる。的確な判断力と要所の得点力で、JBLリーグ優勝9回、全日本選手権優勝12回を果たす。2011年に現役引退。
    WOWOW(http://www.wowow.co.jp/sports/nba/)でNBA解説など活躍の場を広げている。現在はJBA理事ナショナル男子を担当。近況はコチラ

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