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【F1】角田裕毅は「レッドブル残留」が最優先 シーズン後半戦の序盤で来季シートの命運が決まる (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【来季のシートは残りわずか】

 その失敗から学んだことをエンジニアたちと話し合い、コミュニケーションや指揮系統の改善に注力してきた。

「本来なら開幕前のテストで、そういった練習をするものです。だけど、僕の場合は3戦目で急遽移籍してテストができないまま、かなりバタバタとしたなかでのレースで、いろいろと話し合って確認しなければならないことも多々ありました。

 残念ながら、僕らは経験値という点でも、指揮系統に関してもまだ若いチームです。問題点を見つけて強化していくためには、こういう経験も必要だと思います。もちろん、ああいった失敗を受けて指揮系統を見直したり、ミスを防止するための手順を設けたりしました。それ以降、同じミスは起きていません。

 ああいったミスが起きるのは十分に考えられることです。だから、同じミスを繰り返さないように改善していくことが大切だと思います」

 ハンガリーGP翌日にはファクトリーでシミュレーター作業を行ない、夏休みのシャットダウン前に気になる点を洗い出した。そしてシャットダウン開けに、あらためて修正を加えたオランダGPとイタリアGPに向けたシミュレーター作業で、より質の高い準備を整えてきたという。

 2026年に新規参戦のキャデラックがバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスのコンビ起用を発表し、いよいよ来季のシートは残りが少なくなってきた。

 そんななかで角田は、レッドブル残留をメインに据えていると明言する。

「僕のプライオリティ(最優先)はレッドブルに残ることです。そのためには可能なかぎりパフォーマンスを見せる必要があると思いますし、僕としてはそこに集中するだけです」

 決定権を握るヘルムート・マルコ(レッドブル・モータースポーツアドバイザー)も、フェルスタッペンと同じ仕様のマシンを得た過去2戦の角田のパフォーマンスを評価し、決断を遅らせた。

 つまり、ここからの数戦で角田がどんな走りを見せられるのか。そしてポイントという結果につなげられるかどうかが、来季の契約に直結することになる。

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