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40歳のハミルトンは苦境の一方、ルーキーたちがいきなり活躍 中野信治が解説する「若手とベテランの明暗」の背景 (3ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

【スーパーフォーミュラで活躍したあの選手は...】

 レーシングブルズでハジャーとコンビを組むリアム・ローソン(23歳)も能力が高いドライバーです。ただ、彼はドライビングのウインドウが若干狭いように感じる部分があります。自分に合ったマシンの時はすごく速いのですが、合わなかった時はチームメイトと比べてパフォーマンスが落ちてしまうところがあり、人によって評価はまちまちです。

 ローソンは2023年にF2から日本のスーパーフォーミュラ(SF)に参戦して、開幕戦でいきなり優勝してチャンピオン争いを演じました。SFでのローソンのドライビングを見ましたが、本当にうまかった。一方で、彼のドライビングはヨーロッパのスタイルではないと感じました。

 ローソンのドライビングは、基本的にマシンのリアのグリップがしっかりしていないとパフォーマンスを発揮しきれないスタイルに見えます。後ろがしっかりしていて安心感があるマシンだと速い。SFのマシンはタイヤのグリップがあり、リアのグリップも高いので、彼のドライビングスタイルに合ったのだと思います。

 F1ではリアが安定しているレーシングブルズで結果を出せて、リアがけっこうピーキーなレッドブルでは苦労したというのは、自明の理だと思います。ローソンはレーシングブルズに戻ったあと、自分のなかでドライビングを組み立て直し、徐々にパフォーマンスを取り戻しています。ウインドウが広がっているかどうかはわかりませんが、自分の合ったマシンだとハジャーを凌駕する速さを披露します。

 あと、持ち前の気の強さが今はいい方向に出る時と、悪い方向に出る時があります。正しい方向に行けば、ローソンもまだまだ伸びしろがあると思いますので、後半戦は楽しみな存在です。

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