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【F1】角田裕毅「ハッキリとした原因はわからない」 深刻な問題はレースでグリップが低下する「タイヤのタレ」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【ロングランは常に苦しんでいる】

 マシンへの理解度の差だけでなく、そういったマシンの差もわかっている。だからこそ、0.263秒差という予選結果に対しても、理解不能だとパニックに陥る必要はない。以前から話しているとおり、マシンへの理解度と自信については、時間と周回数を積み重ねることでしか解決しないこともわかっている。だから、焦りはない。

 それよりも、オーストリアGPの決勝で顕著に表われた「タイヤのタレ」のほうが、今の角田にとっては深刻な問題になってきている。

 予選でQ3に進み、8位や6位のグリッドから臨むレースはいずれやってくる。しかしレースペースが遅ければ、上位勢と戦うことなどできないからだ。

「ハッキリとした原因は正直に言ってわからないんですけど、改善できそうな部分はあります。それはオーストリアだけの問題ではなくて、前のレースからロングランは常に苦しんでいるので、オーストリア後の数日間もそこをどれだけ改善できるか、かなり懸命に取り組んできました。今週末はいくつか、今まで考えてもいなかったようなこと、普通のレースではやらないようなことをトライするつもりです」

 チームもその点を改善するために、角田に対して協力的な姿勢を見せている。ファクトリーでもレース週末でも、通常ではやらないようなレベルまで手間暇をかけて、試行錯誤をすることに協力してくれているという。

「たとえば僕が『こういうことをやりたい』と言えば、普通の状況ならなかなかOKできないようなこともOKにしてくれたり、マックスだけでなく僕のリクエストもかなり聞いてくれていたり。そういうサポートはすごくしてくれています」

 今週末はFP1で、ジュニアドライバーのアービッド・リンドブラッドにシートを譲ることになる。各車とも年間2回義務づけられている新人走行枠の消化であり、第4戦バーレーンGPではフェルスタッペンが岩佐歩夢にシートを譲っている。

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