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【F1】角田裕毅「フェルスタッペンを倒せる」は悪意のある誤報 最優先事項はマシンを100パーセント理解すること (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【レッドブルの問題点がすべて露呈】

「まだ2戦しか走っていないということを考えれば、現時点でこれだけの自信を持つことができていることには満足していますし、これからさらに深めていける自信もあります。でも、このクルマをいかに走らせるか、どうすればいいパフォーマンスを発揮させられるかという点は、もっと理解を深めていかなければいけません。

 セットアップやタイヤのウォームアップなど、このクルマがいいパフォーマンスを発揮させるためのウインドウも学んでいかなければいけません。そこはまだ半分も理解できていないと思いますし、そこをどれだけ理解できるかがカギなので、今は努力しているところです」

 バーレーンでは、フェルスタッペンがマシン挙動の不安定さやブレーキ効率の悪さに不満を訴え続けていた。それに対して、角田はフェルスタッペン不在だったFP1で同様の問題を感じてフィードバックしていたものの、その後はそこに目を向けるのをやめた。

 このチームで9年も走っているフェルスタッペンのようにマシンの詳細を詰めていくのではなく、今の自分が最優先に集中すべきはマシンへの理解を深めることだからだ。

「マシンはスライドしていましたし、トライしたセットアップが思ったようにうまく機能しなかったり、マックスにとっては厳しい週末だったと思います。

 でも、僕はまだこのチームではルーキーなので、いろんなセットアップを試してマシンに対する自信を深めていっている段階です。マックスのビルドアップの仕方とは違います。そこは完全に分けて考え、予選で最大限のパフォーマンスを引き出すことだけを考えていました」

 角田は冷静に置かれた状況を俯瞰で見つめ、自分がやるべきことを理解し、実際にそれに取り組んでいる。だからこそレッドブル昇格後の2戦でRB21に馴染み、バーレーンではフェルスタッペンからそう遠くないところでフィニッシュして入賞も果たせたのだ。

 バーレーンはハードブレーキングがいくつもあり、中低速・低速コーナーからの立ち上がりも多い。今のレッドブルが抱えている問題点がすべて露呈するようなサーキットであり、苦戦を強いられるのはある意味で当然のことだった。

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