【F1】2025年型ニューマシンの最新トレンド 「シャークマウス型サイドポッド」って何だ? (3ページ目)
【カーボン地剥き出しのマシンも減少】
となれば、あとはドライバーがどれだけマシンの限界を引き出せるかの勝負。チームとしては、ドライバーが自信を持って攻めやすいマシンを作り上げることも重要なポイントとなる。
昨年のレッドブルRB20のように、速さは持っていても挙動がナーバスで手懐けるのが非常に難しいマシンでは、安定してその速さを発揮することはできない。
この「ドライバーフレンドリー」というのも、今年多くのチームが掲げているトレンドだ。
ハースの2025年マシン「VF-25」 @photo by © Haas F1 Teamこの記事に関連する写真を見る レーシングブルズやハース、アストンマーティンなどは、リアの空力安定性を向上させることが昨年型マシンの課題であった。2025年型では、ブレーキングからターンインの時にドライバーが限界まで攻めることができ、予測可能で一貫した挙動を示すマシンへの改善が見られる。
そうなれば、2025年はこれまで以上にドライバーの腕によって勝負が決まる場面が増えてくるかもしれない。それも、0.1秒や0.3秒ではなく、前述のような0.03秒といった、ほんのわずかな差の勝負だ。
「ドライバーからのフィードバックで最も重要な要素のひとつが、マシンの抱えているリミテーション(制約)が何かということだ。つまり、速く走るために何が必要なのかということだ。
今はマシン開発の大半がバーチャル(シミュレーション)で行なわれているが、バーチャルは現実とは異なる。速く走るために何が問題になっているのか、何が必要なのかというのは、極めて人間的な要素であり、人間にしか表現することはできない。ドライバーから引き出したいのは、まさしくそこだ」(セラTD)
もうひとつのトレンドは、どのマシンも色とりどりにペイントされているカラーリングが増え、カーボン地剥き出しの面積が減ったことだ。
これはつまり、マシンの軽量化が進んで800kgという最低重量をクリアできたマシンが増えてきたことを意味している。10kg重ければ1周あたりおよそ0.3秒はロスしてしまうのだから、この大接戦のなかでは非常に大きな要素だ。
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