角田裕毅の7位入賞に「なんて速さだ」エンジニアも大興奮 「メルセデスAMGと互角に戦えるなんて...」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【ドライバーが自信を持って走れている】

 ソフトタイヤを履いた土曜午前のスプリントレースでも、角田は前でルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)とケビン・マグヌッセン(ハース)が争っているのを見て、「彼らが戦っている間はタイヤを温存して、できるだけレースのうしろのほうに取っておくという戦法を採っていました」と冷静な判断を見せていた。

 その結果、スプリントでは15番グリッドスタートから8位入賞を果たした。

大人気の角田裕毅にはメディアからの取材も殺到中 photo by BOOZY大人気の角田裕毅にはメディアからの取材も殺到中 photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る マシン自体の速さもあった。スプリントでは僚友ダニエル・リカルドが予選4位から、決勝でもフェラーリを最後まで抑えて4位を守りきった。

 ホンダの現場運営を統括しRB側の責任者も務める折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャーは、今回投入されたフロアのアップデートによってマシン性能が大きく向上したことと、金曜の走り始めからセットアップがうまく決まっていてフィーリングがよかったことを、好調の理由として挙げている。

「今回投入したアップデートが効いているのと、ドライバーが自信を持って走れていることで、今までよりも一段上のレベルで戦うことができたと思います。アップデートだけでメルセデスAMGやアストンマーティンを追い越したというわけではないと思うのですが、サーキットによっては彼らが落ちてくるところも見えてきたので、その両方が噛み合うと今回のような展開もありうるのかなと考えています」

 VCARB 01は特に低速域が速く、長いストレートの立ち上がりで後続を寄せつけなかった。そのためリカルドも、フェラーリを抑え込むことができたのだ。

 それに加えて、VCARB 01のリアカウル上の排熱ルーバーは最小限の数に絞られていた。気温30度の暑さのなかで作動温度領域を上げた今季型パワーユニットのアドバンテージを最大限に使いきり、空力的なメリットをマシンにもたらしただけでなく、集団のなかで走行するレース中も温度上昇によるパワーダウンの必要性に迫られることはなかった。

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