角田裕毅が実力で「11位の壁」を越えた 日本GP10万人の大観衆のなか、鈴鹿サーキットで見事にサクラサク (4ページ目)
【観客席に向けてずっと手を振り続けていた】
それを牽引しているのは、間違いなく角田裕毅、その人だ。
レース後、RBは全クルーがピットガレージ前に集まった大興奮の記念撮影を行なった。たったの10位1点ではあるが、RBにとってはこの上なく大きな、ある意味ではオーストラリアの7位入賞よりも価値のある1点だ。
その中央で力強くガッツポーズをし、しまいには肩車をされて角田はカメラに収まった。
チェッカーを受けたあと、角田はピットに戻ってくるまでの1周の間、ずっと観客席に向けて手を振り続けていた。
「やっぱり感動しました。本当にみなさんの期待に応えられたというのがうれしいですし、ここまで待っていてくれたのでホッとしています。その感謝の思いを伝えながら1周しました。
もし今回のレースを見てファンになってくれた方がいたら、これをきっかけに好きになってくれたらうれしいですし、これまで応援してくれたファンのみなさんもこれからも応援してくれたらうれしいなと思います」
日本GPのたびにドライバーとしても、人としても成長を見せてきた角田が、今年の鈴鹿では見事に桜を咲かせ、また一段と大きな存在になった。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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