F1日本GPを語ろう(2)鈴木亜久里「アルボレート、ワーウィック...みんないい奴。一番つまらなかったのは...」 (3ページ目)
── 今年のF1日本グランプリは初めて春開催になります。それについてはいかがですか?
「どの季節にやっても同じだと思うのですが、正直(春開催は)忙しいですね。翌週はスーパーGTの開幕戦だし、その前の週はフォーミュラEも行かないといけない。毎週ずっと何かをやっている状態で『忙しい!』のひと言に尽きますね(笑)」
── F1ドライバー現役当時のチームメイトやライバルとの思い出はありますか?
「みんな、面白かったですよ。エリック・ベルナール、フィリップ・アリオー、ミケーレ・アルボレート、デレック・ワーウィック、オリビエ・パニス......みんないい奴でしたね。一番つまらなかったのは、ベルント・シュナイダー(ザクスピード時代の僚友)かな(笑)」
── チームメイト同士で切磋琢磨する、という感じだったんですか?
「チームメイト同士で険悪になることはなくて、お互いにうまくやっていました。なかでもアルボレートとワーウィックは大先輩だから、一緒にご飯やゴルフに連れて行ってもらったりしていました」
── 今は角田裕毅選手が日本人として唯一フル参戦中です。活躍ぶりはいかがですか?
「すごくがんばっていると思います。ダニエル・リカルドと同じクルマに乗って、あれだけ速く走るのは難しいと思いますよ。リカルドはセバスチャン・ベッテルと組んでいたとき、彼より速かったときもあるわけだから、そういう部分でもすごいドライバーだと思います」
── 亜久里さんはカート時代の角田選手と接点があったりするのですか?
「カート時代とかは全然会ったことがなくて。だから(角田が若い頃は)全然覚えていないです。彼がF1に上がってから話したことはあるけど、それまではほとんど接点がなかったですね。
ただ、彼がF2で活躍しているのを見て、『がんばっているな』とチェックするようになりました。本当にがんばってほしい」
<了>
【profile】
鈴木亜久里(すずき・あぐり)
1960年9月8日生まれ、東京都板橋区出身。1988年にF3000で年間王者を獲得し、同年10月のF1日本GPにラルースからスポット参戦。1989年からザクスピードのシートを獲得して中嶋悟に次ぐ日本人ふたり目のフルタイムF1ドライバーとなった。1990年の日本GPで日本人初のF1表彰台(3位)を獲得。その後、ラルース→フットワーク(アロウズ)→ジョーダン→リジェで走る。引退後はオーナーとなり、2006年〜2008年にはスーパーアグリとしてF1参戦。
著者プロフィール
吉田知弘 (よした・ともひろ)
モータースポーツジャーナリスト。1984年12月19日生まれ、石川県出身。2011年よりスーパーGT、スーパーフォーミュラなど国内4輪レースを中心に取材。専門誌やweb媒体などで執筆中。日本モータースポーツ記者会所属。
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