ホンダとヤマハはどうして勝てなくなった? 今季のMotoGP前半戦で表彰台に登壇した回数...わずか5回だけの惨状 (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • photo by Nishimura Akira, ©MotoGP.com

ヤマハのファビオ・クアルタラロは前半戦ランキング9位ヤマハのファビオ・クアルタラロは前半戦ランキング9位この記事に関連する写真を見る

【スズキの株主総会で社長が...】

 ヤマハは2022年までファクトリーとサテライトの2チームが存在したが、今年はサテライトが欧州メーカーのアプリリアへ鞍替えしたため、ヤマハにとっておそらくグランプリ史上初のファクトリー1チームのみという体制になった。さらに、スズキが昨年限りでグランプリから撤退したことにより、日本メーカーの勢力が縮小したイメージはさらに強くなった。

 今年の2月に行なわれたマレーシアテストや開幕戦のポルトガルで、ピットレーンを歩いてMotoGPクラス各チームのガレージをひとわたり眺めてみた時、ドゥカティをはじめとする欧州メーカー勢のチームがずらりと居並んで威容を見せていたのに対し、ホンダとヤマハはまるで片隅に小さく間借りしているかのようで、存在感はごく薄く小さいものになっていた。

 3メーカー5チームから2メーカー3チームになるとこんなに印象が変わるのか、と驚くほどで、かつてホンダ系のチームがいくつもガレージを並べ、ヤマハのピット前にはバレンティーノ・ロッシの姿を撮影しようとするフォトグラファーたちで黒山の人だかりができていた時代を思い起こせば、さらに隔世の感があった。

 前半戦8戦を終えた現在の戦況を見ると、コンストラクターズランキングはドゥカティ、KTM、アプリリア、ホンダ、ヤマハの順。チームランキングはドゥカティ勢が上位トップ3を占めるのに対し、ヤマハのファクトリーチームは首位からダブルスコア以上の差を開かれた6番手、ホンダのファクトリーチームは最下位の11番手、という状態である。

 一方、昨年限りでMotoGPから撤退したスズキはというと、第8戦オランダGPの走行が始まった6月23日(金)に株主総会を開催した。

 日経新聞によると、その際に株主からレース復帰の可能性を問われた鈴木俊宏社長は「まだ決めたわけではないが、レースで新しい技術開発ができるのであれば参戦することに取り組みたい」「復活するにしても、しっかりと腹を据えてやることが重要だと思っている」と述べたという。

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