角田裕毅が「今週は厳しい」とあっさり認めた背景。アルファタウリの苦手なサーキットがわかってきた (3ページ目)
日本GPに向けて必要な蓄積
角田としては当初、ここでパワーユニットを投入してグリッド降格ペナルティを消化する予定だった。しかし前回のスパで消化できたことで、今回は本来の位置でレースができる。
先週のベルギーGPでも入賞こそできなかったものの、予選でQ3に進み、入賞圏を争うポテンシャルがあることは確認できている。
予選では派手なロックアップでQ1敗退を喫したように見えたが、実際にははるか手前のターン8で軽くロックアップ、ターン13立ち上がりで大きくリアが流れてタイムロスをし、最終シケインはダメ元で果敢に攻めただけのことだった。そしてスナップの原因も、フロアにダメージがあったと見られるデータが見つかっている。
フロアを交換して臨んだ決勝では、ハードタイヤでスタートして中団勢のなかで好ペースを維持して走り、一時は7位まで浮上。2度のピットストップで2度とも手痛いタイムロスがあり、DRSトレイン状態の集団後方に埋もれて入賞できなかった。しかしガスリーが証明したように、ペースとしても戦略としても入賞が狙える位置にいたことはたしかだ。
ベルギーGPでの角田裕毅の走りは決して悪くなかったこの記事に関連する写真を見る「戦略としては失敗ではなかったです。あとで考えれば1ストップで行ける可能性はあったね、という話もありましたけど、タイヤのデグラデーション(性能低下)がかなり大きかったので、あの瞬間あの場面での判断としては、2ストップじゃないと行けないという判断になりました。
それよりも、ピットストップのロスが大きかったと思います。それでDRSトレインのうしろになってしまいましたけど、そこまでのペースはとてもよかったですし、ハンガリーGPに比べてマシンバランス面でも大きく前進することができた。ベルギーGPはとてもポジティブな週末になったと思います」
今週こそはクリーンなレース週末を送り、まだリザルトには見えていない上昇機運を、このザントフォールトで結果に結びつけたい。その結果が仮にポイント圏内でなかったとしても、その成功体験がこの先のチームの地元モンツァ、さらには角田の地元・日本GPへと確実につながるはずだ。
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