角田裕毅が「今週は厳しい」とあっさり認めた背景。アルファタウリの苦手なサーキットがわかってきた (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY, Yoneya Mineoki

アルファタウリに追い風?

 中団上位のアルピーヌやマクラーレンは言うまでもなく、ハースやアルファロメオといったフェラーリ型のコンセプトを持つマシンも、コーナーが得意でハイダウンフォースサーキットこそ実力を発揮する。その結果、彼らと争うアルファタウリは中団下位へとポジションを下げることになる。

「僕らとしてはアップデートパッケージに適応できたかなというところですけど、ほかのチームがアップデートを入れてきているので、外から見た時にその効果がリザルトとして見えにくい。周りも続々とアップデートを投入して前進しているのに対し、僕らはフランスで入れただけでその前後はアップデートがなくて、相対的に後退しているという面がある」

 オランダGPの舞台となるザントフォールト・サーキットは、100km/h以下のコーナーがなく、ストレートも短い。そして実質10個のコーナーのうち200km/hを超える高速コーナーが2つ、中高速コーナーが2つ、残り6つは中低速コーナーが連続するコーナリングサーキットだ。どのチームもハンガリーGPと同様にハイダウンフォース仕様で走行し、コーナーでタイムを稼ぐ。

 アルファタウリにとって厳しい戦いになる、と予想されるのはそのためだ。

 だが、リザルトにはつながっていないものの、特性の似たハンガロリンクでもガスリーがピットレーンスタートから12位まで追い上げるなど、決して苦手というわけではないポテンシャルは見せている。

 ザントフォールト・サーキットには4.5〜19度というダイナミックな傾斜を持つバンク付きコーナーが2つあり、なかでも最大傾斜18度の最終コーナーは長時間にわたってマシンが路面に押しつけられながら走行することになる。今年はここでDRS(※)を解禁しようという向きもあり、ストレートで稼ぐアルファタウリにとっては追い風になるかも知れない。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

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