角田裕毅は来季レッドブル昇格見送りも「特に気にしていない」。アルファタウリ得意の旧市街地コースでアピールできるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

アルファタウリが速い理由

 現場エンジニアリング責任者のジョナサン・エドルスは、モナコのようなサーキットでAT03が好走を見せる理由を次のように説明する。

「バルセロナでは高温のコンディションもあって、高速コーナーでマシンがスライドしすぎてタイヤがオーバーヒートし、グリップを得られないでいた。それを根本的に解決するためには、コーナリングスピードを遅くするか、ダウンフォースを増やすしかない。

 しかしモナコは低速だから、空力の重要性は通常よりも低く、メカニカル面が優れていればカバーできる。高速コーナーは少ないため、タイヤのスライド量は少なく、タイヤの状態をマネージメントすることができたんだ」

 バクーはストレートが長いため、どのマシンもモナコとは逆にダウンフォースを削ることになる。しかしモナコで速かった理由を考えれば、今週末のバクーでもAT03は中団上位を争う速さを見せるはずだとエドルスは語る。

「モナコでのパフォーマンスのよさは、非常にポジティブな要素だったと考えている。間違いなく中団上位を争えるだけの速さがあった。低速のモナコでのパフォーマンスを見れば、バクー、カナダと市街地サーキットがさらに2戦続くなかで、いいパフォーマンスが発揮できると楽しみにしている。

 実際にはダウンフォースレベルが大幅に異なるため、モナコとはまた少し異なる。だが、両方とも市街地サーキットで低速コーナーが多く、我々としてはその点で自信を持って臨むことができるね」

 バクーのコースは世界遺産にもなっている旧市街地の周りを走る、狭くてタイトなセクションもある。だが、非常に長い2本のストレートにそれぞれDRS(※)が設定されているため、従来からオーバーテイクは容易なサーキットと言えた。低速コーナーが多く、前走車の乱流の影響もそれほど受けることなく、前とのギャップを詰めたままコーナーを抜けることができたからだ。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

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