スーパーGTネクスト世代、最注目は「トヨタの秘蔵っ子」。22歳・宮田莉朋の夢は「日本人で一番速いドライバーになる」 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

世界の舞台に挑戦したい

 トヨタの育成ドライバーとして支援を受けてステップアップしてきた宮田だが、その道は決して平坦なものではなく、むしろ苦労することのほうが多かったという。ただ、そこであきらめずに努力し続けてきたことで、次のチャンスを掴んできた自負がある。

「F4からスーパーGTに順調にステップアップして、すぐにチャンピオン争いをして当然というチームに加入するドライバーもいます。だけど、僕はどちらかというと、苦労して次のステップに行くことのほうが多い気がしています。

 でも、そこで苦労するからこそ、その先の道が明るいのかなと思うところもあります。19号車に加入した時も1年目は苦労しましたが、そこで頑張った結果、2年目はポールポジションを2回獲れました。これまでの苦労を糧にしてきたから、周囲からはすごく期待をされている感があります。

 苦労して、みんなで頑張って、そして結果で証明できれば、その先は明るいと思いました。その経験を生かせば、チャンピオン争いに加われるという自信もあります」

 今シーズンはもちろん、宮田は参戦するスーパーGTとスーパーフォーミュラで好結果を残すことを第一に考えている。だが、自身のレースキャリアとしては"その先"の目標があるという。

「小さい頃から世界の舞台に挑戦したいと思っていて、その気持ちは今でもあります。もちろん、トヨタのトップドライバーという位置づけにはなりたいですけど、日本人で一番速いドライバーだとも思われたいです。そういう意味で、世界に行きたいという想いは強いです。

 僕は現在22歳になって、以前と比べると目指せる道も狭くなっているのかなと思うところはあります。このタイミングでスーパーGT(GT500クラス)とスーパーフォーミュラというトップカテゴリーに挑戦できて、両方ともトムスから参戦できるというのは、大きな意味があると思います。

 周りから期待されていることは受け止めていますし、結果を出せば世界に行くチャンスも将来出てくるかもしれません。そのために、いつも以上の努力をして結果を残していけば、自ずとその立場になれるのかなと思っています」

 目標としている世界へ行くために、宮田莉朋の負けられないシーズンがいよいよ始まる。

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