F1カメラマンが語り合う角田裕毅の素顔と可能性。エンジニアとの不仲説も「チーム内で人気があって、愛されている」 (2ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

ーーホンダが昨年限りで撤退し、参戦2年目となる角田裕毅選手には期待が集まっています。おふたりは過去に何人もの日本人ドライバーの走りを現場で見ていますが、角田選手のデビューシーズンの評価と今年の期待は?

桜井
 角田選手が所属したアルファタウリはコンストラクター選手権でアルピーヌと5位を争っていました。それくらい速いマシンに乗せてもらっていたので、まずはラッキーだったと思います。ただ本人のミスが多かったし、チームメイトのピエール・ガスリーが速くて、隠れてしまっていました。デビューシーズンではありますが、同じマシンに乗り、同じ土俵の上に立っているんです。どんなスポーツでも言い訳はできません。

熱田 F2まではすばらしい適応力を発揮した角田選手ですが、そんな彼でもF1ではクルマの動きに慣れ、レースの組み立て方を学ぶのに時間がかかりました。シーズンが残り3〜4戦くらいになって、ようやく歯車が噛み合い出し、最後のアブダビGPで全セッション、ガスリーよりも速かった。それは評価してあげるべきだと思います。フェルナンド・アロンソを見ればわかりますが、チャンピオンを2度も獲ったドライバーでも現代のF1マシンはいきなり乗って、パッと速く走るのは難しい。それくらい今のF1は難しいんです。

桜井 2022年シーズンにシートを確保できて本当によかったと思います。レッドブル系のドライバーはミスが続き、コイツはダメだという評価が下ったら、シーズン中だろうとクビになります。それぐらいドライバーには厳しいチームです。しかもF1を目指すレッドブルの育成ドライバーはいっぱいいますからね。ホンダの影響力が残っていたのでシートを確保できたとも思いますが、今年は開幕からきっちりと結果を出さないと。

熱田 ガスリーに勝つのはすごく大変だと思いますが、彼に勝ちさえすれば評価を得られ、その先にもつながっていきます。桜井さんの言うように、今年はホンダの影が薄くなっていく部分もあるので、成績を残さないとあとがありません。でも昨年の最終戦にあれだけのすばらしい走りを見せてくれたので、楽しみでしょうがないです。

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