角田裕毅「簡単なレースにはならない」。富士山5号目の標高で初レース、ホンダの高性能ターボは有利となるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 水曜にメキシコシティのど真ん中で行なわれたデモ走行イベントには、実に14万人もの大観衆が詰めかけた。ペレスは独立記念塔や高級ホテルなどが建ち並ぶレフォルマ通りでドーナツターンを決めて、大観衆を沸かせた。

 今週末のチケットも当然完売で、メキシコのファンの期待は高まっている。

 これまでフェルスタッペンのタイトル争いをサポートする役割に徹してきたペレスだが、もし自身が母国でレースをリードしていてもフェルスタッペンに勝利を譲るのか? チームオーダーは発令されるのか?

 メルセデスAMGは、バルテリ・ボッタスが「僕はもうタイトル争いに加わっていないので、チームプレーヤーだ」と、ルイス・ハミルトンへの援護射撃を宣言している。その一方で、レッドブルはまだその姿勢を明らかにはしていない。

「もしそんな問題に直面することになれば、うれしい悲鳴だね。これまでのレースでもやってきたのと同じように、状況によりけりだと思う。今のところはあまりそういうことは考えていないし、チームでもそういう議論は何もしていないよ。

 まずは、土曜の予選が終わってから話し合うことになると思う。現時点では(予選で好結果を残して)そういう状況になるという保証もないわけだからね。いずれにしてもチーム全体から大きなサポートをしてもらっているし、チーム全員が今週は僕に勝ってもらいたいと思ってくれていると確信しているよ」(ペレス)

 1965年にホンダがF1参戦2年目にして初優勝を挙げた地----メキシコシティで、あの時と同じカーナンバー11番を付けたペレスがどんな走りを見せるのか。

 ここからシーズンは、6週間で5戦という怒濤のクライマックスへと突入する。フェルスタッペンとしても、ホンダとしても、角田裕毅としても、それぞれがそれぞれの思いと目標を抱えてのシーズン最終盤へと挑んでいくことになる。

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