角田裕毅に問われている不用意なミスへの理解度。後半戦の走りへの期待 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 前半戦は5回の入賞を果たした一方で、大きなクラッシュが5回と、不必要な場面での不用意なミスも目立った。

「開幕前の期待どおりの内容にはなりませんでしたし、アップダウンがたくさんありました。僕自身のパフォーマンスも非常に不安定な時がありました。

 でも、ポイントは獲れましたし、全戦でポイントを獲得した唯一のチームになったという点でもアルファタウリを助けることができたと思いますし、全体的にはとても満足しています。シーズン後半戦でもその流れを維持しなければならないと思います」

 新人だからマシンに対する理解が足りないのは当然だし、成熟期にあるピエール・ガスリーに及ばないのは当たり前のこと。マシンの仕上がりやサーキットとの相性によってアップダウンがあるのも当然だ。

 だからこそ、経験を積むためにフリー走行でのクラッシュは避けなければならないし、今のF1で唯一フルアタックをする貴重なチャンスであるQ3に進むために、Q1でマシンを壊してはいけない。慎重なアプローチに切り替えたはずなのに、前半戦最後のハンガリーでもまた同じミスを犯してしまった。

 夏休みの間に前半戦を振り返り、なぜそうなってしまったのか、角田は理解しているのか。それがここからの3連戦、そして11週間で8戦が行なわれる超過密スケジュールの後半戦で問われることになるだろう。

 日本GPは中止となってしまったが、テレビを通して日本のファンに鈴鹿と変わらぬ感動と興奮を届けてもらいたい。

「すごくガッカリしていますが、オリンピックが終わったあと、日本の新型コロナの状況がどんどん悪化していることをニュースで見ていると、中止になる可能性はどんどん高くなっているなと感じていましたし、こうなるのではないかという予感はありました。

 日本のファンの皆さんの前で鈴鹿を走るのをとても楽しみにしていましたし、鈴鹿はFIA F4時代以来なので、F1マシンとの違いを体験するのも楽しみにしていたんです。でも、仕方がないですし、日本のファンの皆さんにはテレビを通して、いい走りを届けられるようにがんばりたいと思います」

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