フェルスタッペン、接触したハミルトンにチクリ。「押し出されないことを願うよ」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 チームはシルバーストンでクラッシュしたパワーユニットを再びフェルスタッペン車に搭載し、金曜フリー走行で走らせて最終確認を行なうことにした。そこで問題が発生すれば、今季1基目のパワーユニットに交換し、まずはペナルティなく今週末を戦うことになる。

 フェルスタッペンとしても、ここでしっかりと結果を残すことは重要だ。狙うは言うまでもなく、シルバーストンで掴み損ねた優勝だ。

「結果を変えることはできないから、起きてしまったことには満足していないよ。とくに多くのポイントを失ってしまったことには。それもほかの誰かのせいでね。でも、どうすることもできないし、何を言ってもしょうがない。

 だけど、今の僕らにできるのは、今週末ここでいいレースをすることだけ。気持ちはいつもと同じで、チームとして勝つために戦う。押し出されることなく戦えることを願っているよ」

 レッドブルが要請した再審議は、その要件とされる「新たな証拠」が不充分として却下された。しかし、フェルスタッペンはハミルトンのドライビングや振る舞い、ペナルティについて苦言を呈しながらも、コース上で結果を出すしかないことはわかっている。

 そして、アグレッシブに攻めるスタイルも変えるつもりはないという。

「僕は何も間違ったことはしていないと思っている。僕はアウト側にいて、彼がアンダーステアを出して僕のクルマに接触してきた。僕には、ほかにどうすることもできなかった。

 世間の人たちは僕がアグレッシブすぎたと簡単に言うが、僕はハードにレースをするドライバーではあるけど、自分のマシンをどこに置くべきかはわかっている。事故に巻き込まれたことはないし、ペナルティポイントも0点。そのことが証明していると思う」

 接触すれば、両者ともに失うものがある。「チャンピオンシップを争う」というのはそういうことで、1点1点の積み重ねが重要だからこそ、ノーポイントでレースを終えるのはどんな理由があろうと最も避けなければならない。両者ともにその意識があれば、事故は避けられる。今後コース上でふたりが激しいバトルを演じることはあっても、接触という最悪の結果に終わることはないと信じたい。

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