F1デビューの角田裕毅の同期がド派手だ。シューマッハJr.の実力は (4ページ目)

  • 川原田剛●文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 熱田 護、桜井淳雄●撮影 photo by Atsuta Mamoru, Sakurai Atsuo

 いずれにせよ、好対照なキャラクターを持つミックとマゼピンの対決は今シーズンの大きな見どころのひとつになる。

 このハースのふたりと昨年F2で激しく争った角田裕毅は今シーズン参戦するF1ドライバーの中で最年少の20歳。ホンダとレッドブルの育成プログラムのサポートを受け、アルファタウリから参戦する。チームの角田に対する期待は大きく、3月12〜14日の公式テストの前に旧型マシンを使って2度のプライベートテストを実施している。

 角田の実力は今さら説明する必要はないが、昨年、国際自動車連盟(FIA)が主催する全カテゴリーの新人ドライバーを対象とした「FIAルーキー・オブ・ザ・イヤー」を日本人として初受賞したことでも証明されている。この賞を過去に受賞したのは、ダニール・クビアト、マックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、アレックス・アルボンといった才能あるドライバーばかりだ。

 角田が過去の日本人ドライバーと異なる点は、メンタル面の強さだろう。角田が在籍した鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラを現在、佐藤琢磨とともに指揮する中野信治も「角田はいい意味でのふてぶてしさがあります。海外で仕事をする際には、図太くないとやっていけません。角田は日本よりも海外で仕事をするほうが向いているかもしれません」と評していた。

 そんな角田の性格の一端を垣間見たのが、昨年末に行なわれたメディア会見だった。未来の自分はどうなっているかと問われた角田は「自分の野望としては、ルイス・ハミルトン選手が2020年に実現した7回目のワールドチャンピオンを抜きたいと思っています。2035年までにそれが実現できればうれしいです」と話していた。

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