ドリフト界のアイドルは努力の人。仕事掛け持ちで貯金して買った車は? (4ページ目)

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao(a presto)

 将来は、アメリカで開催されているドリフトイベント、フォーミュラ・ドリフト(FD)に出場してみたいです。ドリフト競技はもともと日本発祥ですが、今ではアメリカで大人気。FDは2日間で約10万人のお客さんが集まる大きなイベントになっています。2年前、実際に私も見てきましたが、まるでお祭りのように盛り上がっていました。

 FDの出場資格が取れる大会にも少しずつ出ていますが、国内で結果を残せない人間が海外に行っても意味がないとも思っています。ドリフトは日本の文化で、その最高峰に位置するのがD1グランプリです。まずはD1に昇格し、しっかりと結果を出すことが目標です。

 昨年、新型コロナウイルスが流行する前に中国へドリフトのデモ走行を行ってきました。世界各国からD1の大会を開催したいとの声がかかっているようですし、私もコロナ禍がなければ今年は本格的に海外のイベントに出場する予定でした。これからドリフトの人気がさらに来ると思います。

 その盛り上がりが、残念なことに日本国内であまり知られていないんですよね。海外のドリフト競技では、多くのドライバーが日本車を使用しています。彼らにとって日本車は憧れなんです。実際にアメリカでは「日本車がカッコいいからほしい」という声をよく聞きます。もしかしたら、ドリフトの魅力や日本車のすばらしさを日本人が一番、知らないのかもしれないですね。

 レーシングドライバーは、エンターテインメントの仕事だと思っています。もちろん技術に対してストイックになることも大事ですが、どうすればお客さんが楽しめるのかというのは常に意識しています。

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