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もつれる今季のMotoGP。「コロナ失業」を味わった苦労人が予想外の優勝 (5ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●写真 photo by Takeuchi Hidenobu

 それどころか、この2名を含む有力選手たちは、全員がシーズンのどこかで何かしらチャンスを逃し、誰もライバルに差をつけて大きく引き離すことができないでいる。そのために、ポイント差はむしろ詰まる傾向にある。115ポイントの首位クアルタラロから、ランキング5番手で現在81ポイントの中上貴晶までの差はわずか34という状態だ。

 次の週末からは、スペインのアラゴン・モーターランドで2連戦が行なわれる。同一会場の2週連続レースは、全員がデータを豊富に獲得することなどにより、戦いがいっそう緊密になる傾向がある。しかも、ここから先の晩秋は寒さが増すことで、不確定要素も大きくなる。状況がさらに混沌としそうな要素ばかりといっていいだろう。奇妙なサバイバルゲームのようなシーズンは、そろそろ終盤戦が近づきながらもその展開はまったく予断を許さない。

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