レッドブル・ホンダの走りが安定。フェルスタッペンが思わず叫んだ理由 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 メルセデスAMGの手のひらの上で踊らされて、身動きが取れない。そんな状況にレッドブル・ホンダは閉塞感に包まれていたと、ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは振り返った。

「最終的にホンダとしては4台完走、3台入賞ということで、まずまずとはいうものの、なんとなく閉塞感もあるレースでした。マックスがメルセデスAMG勢に頭を抑えられているのも、DRSトレインのなかから抜け出せないのも閉塞感でした」

 全開率が高く、セクター1とセクター3ではそれぞれ20秒を超える連続全開区間があるスパ・フランコルシャンでは、パワーがモノを言うだけにホンダは苦戦を覚悟していた。

 しかし、予選ではルイス・ハミルトンと0.526秒差と、ギャップは今季一番の小ささ。2位のバルテリ・ボッタスとの差は0.015秒でしかなかった。

 これまでマシン挙動に苦戦を強いられてきたアルボンが予選5位に入り、フェルスタッペンとのギャップも0.501秒と縮めてきた。そのことからもわかるように、RB16のマシン挙動はかなり改良された。ベルギーGPに持ち込んだ改良パーツが功を奏したのだと、アルボンは語る。

「これはクルマの進歩によるものだ。コーナーの入口から中間までのクルマの挙動が予測しやすい状態だったし、自信を持って安定したドライブがしやすかった。

 これまでマックスとふたりで、もっと挙動が安定して予測できるクルマがほしいと話してきた。今週末ここに持ち込んだものは、ダウンフォースを増やすというよりも、それを助けるようなアイテムであって、そのおかげで以前のようなドライビングができた」

 金曜フリー走行1回目からフィーリングはよく、セットアップもストレート車速とコーナーのバランス妥協点がよかった。ここで新アイテムを試したフェルスタッペンに続き、フリー走行2回目からはアルボンも採り入れて速さを増した。

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