フェルスタッペンの闘志は消えず。ホンダもいかにパフォーマンスUPできるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 今週末は暑さに見舞われるという予報で、そうなればメルセデスAMGのパワーはやや落ちると見られている。日曜には天候が崩れるという予報も出てきた。

 もちろん、それによって勢力図が逆転するとはフェルスタッペンも考えてはいない。

「暑いからといって、予選で1秒とか決勝で0.5秒のアドバンテージが得られるわけではないだろうから。もちろん、僕らはあきらめない。先週はタイヤのパンクも多発して予想のできない展開になったし、まずはチャンスを掴むために、そこ(メルセデスAMG勢の背後)にいることが必要だ」

 現在22歳のフェルスタッペンは今年、史上最年少チャンピオンへの挑戦を具体的に描いていた。それだけに7月にずれ込んだシーズン開幕からの序盤戦は、タイトル争いに加わることができない現実にファンも希望を見いだせないでいる。

 しかし、フェルスタッペンは苛立つこともなく、モチベーションを失ってもいない。

「僕は今、自分の置かれている状況を受け容れている。今も表彰台争いをしているわけで、このクルマに乗りたいというドライバーはいくらだっているし、フラストレーションを感じるような場所ではない。

 メルセデスAMGはすばらしい仕事をした。そのことは認めなければならない。ただ、だからといって彼らを打ち負かす気がないわけではない。マシンをもっと速くして、レースでもあらゆるチャンスを掴んで、彼らを打ち負かすためにベストを尽くす」

 自分の力でどうすることもできない事柄に腹を立てたり恨んだりしても、何も生まれはしない。自分がやるべきことは、自分の力で変えられることに全力で取り組み、やれるだけのベストを尽くすこと。

 レッドブル・ホンダとフェルスタッペンの闘志の火は、まだ消えていない。

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