フェルスタッペンにGTドライバーが挑戦!バーチャルレースなら勝てる? (4ページ目)

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

-ードライビングのスキルだけではなく、むしろ気持ちの面で効果があった、と。

塚越 そうですね。自宅にあるシミュレーターはアップデートしたとはいえ、F1チームやスーパーGTに参戦する自動車メーカーが所有するものに比べると、まだまだリアルではありません。それでも、バーチャルの世界でマシンを速く走らせようと頭を使って考え、トライを繰り返していくことは、実際のレースでのアプローチと何ら変わらない。レースに対する気持ちを研ぎ澄まし、「速く走ろう」というモチベーションを保ち続けられたことが、シミュレーターの一番のメリットだったと考えています。

-ーいよいよ開幕戦ですが、勝敗を分けるポイントは何になりそうですか?

塚越 ドライバーもチームのスタッフも長い間、実戦から離れていたので、思いがけないトラブルに見舞われて、開幕戦は荒れる可能性があります。コロナ対策でサーキットに同行するスタッフの数は通常に比べて減りますので、いかにしてオペレーションをこれまでどおりに行っていくのかも大事になっていくと思います。

 やはりドライバーとチームのスタッフが、しっかりとレースの準備をして、開幕戦に向けての気持ちをうまく高めていくことが一番のポイントになるでしょう。

ーー今シーズンは開幕戦の富士スピードウェイから9月に開催される第4戦のツインリンクもてぎまで無観客試合になります。ドライバーとしてはどんな気持ちですか?

塚越 レースウィークにお客さんから声をかけてもらったり、チームの旗を振ってくれたりしている姿を見ると、やはり「頑張ろう」って気持ちになります。それがなくなるのは寂しいですし、ファンのありがたさを感じると思います。逆にファンの方には、僕たちドライバーがいいレースを見せて、「早く生で観戦したい」と思ってもらえるように頑張らなければならないと思っています。そうすれば、コロナの収束後、またサーキットに足を運んでくれるはずですから。

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