長島哲太、Moto2初優勝。最終ラップ、亡き友・富沢祥也を想った

  • 西村章●取材・文・撮影 text & photo by Nishimura Akira

 2020年のMotoGPは、世界中を騒がせている新型コロナウイルスの影響により、不穏かつ不安定な状態でシーズン開幕を迎えることになった。

富沢祥也が優勝した写真の前で同じポーズをする長島哲太富沢祥也が優勝した写真の前で同じポーズをする長島哲太 MotoGPの開幕戦は、中東カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで、毎年ナイトレースとして開催されることが恒例になっている。このレースに先だち、最高峰のMotoGPクラスはレースウィークの2週間前に、その後、中排気量のMoto2と小排気量のMoto3クラスは合同で1週間前に、それぞれ3日間のスケジュールで同地での最終プレシーズンテストを実施した。

 日を追うごとに世界各地で感染者の報告が相次ぎ、それにともないカタールへの入国制限や検疫対策は、より厳格な方向へ舵を切っていった。そして、イタリアからの入国者に対しては例外なく最低14日間の隔離措置を行なう、という方針を打ち出したため、開幕戦のMotoGPクラスは開催キャンセルが3月1日に発表された。

 Moto2とMoto3に関しては、前述のプレシーズンテストとレースまでの間が数日間しか空いていないため、選手やチームはテストからそのままカタールに居残っていたので実施に支障はなく、この2クラスのみで開幕戦が開催されるイレギュラーな形でレースウィークを迎えることになった。

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