2019.12.16

レッドブル・ホンダ、1年目の通信簿。
「雨降って地固まる」で土台はできた

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 2019年にタッグを組んでスタートを切ったレッドブル・ホンダの1年目は、3勝を挙げ、実質的に3度のポールポジションを獲得し、コンストラクターズランキング3位。初年度としては十分な成功を収めたと言える。

 5年前に現行のパワーユニット規定に移行して以来、ずっと戦闘力を失っていたレッドブルにとって、ホンダとのタッグはトップへ返り咲くために残された唯一の選択肢だった。最高のマシンパッケージを作りあげるためには、パワーユニット・マニュファクチャラーとのワークス体制が必要不可欠だったからだ。

フェルスタッペンは来季こそ悲願のタイトル奪取なるか シーズン開幕当初は、多少ホンダのパワーが劣っていようとも、車体性能のアドバンテージで勝つことも可能だと考えられていた。2018年の後半戦は「レッドブルの車体がナンバーワンだ」という自負が彼らにもあったからだ。ホンダとしても、第6戦・モナコGPまでには勝ちたいという思いがあった。

 しかし、フタを開けてみれば、レッドブルはフロントウイングの新規定にうまく対応できておらず、車体は空力的に不安定でアドバンテージを失っていた。

「マシンバランスは悪くないけど、全体的なグリップが不足している。マシンに根本的な問題があるわけではなくて、単純にグリップレベルが足りず、マシンの持っている本来の速さを使い切れない」

 マックス・フェルスタッペンはことあるごとにそう語っていたが、こうした事態も十分に有り得ると想定していたと、ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは語る。

「レッドブルと組むということで世間の期待は非常に高かったですが、今年の空力レギュレーションの変更は大きかったので、その対応次第では去年までの勢力図が崩れる可能性もあると思っていました。(勝てるくらい)いい可能性も、ダメな可能性も、両方あるなと。

 実際のところ、大きく崩れないものの、ギャップは少し変わりました。フェラーリは逃げる、メルセデスAMGはもっと逃げるという(ギャップが広がった)状況で、開幕前テストがスタートしました」