レッドブル・ホンダ、最終戦は攻める。残ったパワーを最大限に引き出せ (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)



 しかし、ホンダはシーズン後半戦に2基のスペック4を投入しており、ライバル勢よりも走行距離に余裕がある。最終戦ではもう残りのマージンを考える必要はなく、そのぶんだけ攻めた使い方ができる。

 残ったマージンを最大限に使い切ることが、ホンダに課された使命だ。

 攻めすぎれば、壊れてしまう恐れもある。そのなかで、ギリギリまで攻めてライバルよりもパワーを引き出し、長い2本のストレートで優位に立ちたい。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。

「ここで必要なマイレージはもう決まっているわけですから、それを考慮したうえで最終的にどこまで到達するか、使える部分は残さないように、適切にマネジメントしていきたいと思っています。その計算を間違えないように、フリー走行のなかでしっかりとパフォーマンスを見てセットし、予選できちんと結果を出し、決勝で適正配分して使いきりたい」

 そしてトロロッソ・ホンダも、ルノーを8点差で追っている。

 ランキング5位を獲得すれば、チームとしては2008年の6位を上回る自己最高位となる。危機にあったホンダを救ってくれたトロロッソのためにも、パワーで後押ししたい。

「ひとつでも上のコンストラクターズランキングにつけるべく、全力投球します。そのためにも、全開の勢いを今回も継続すべく、全力投球したいと思っています」

 2021年の契約が決まり、来季はいよいよ王座奪還へと挑もうとしている。その前に、今年のうちに果たしておくべき仕事がある。それを今週末のアブダビでしっかりと見せてもらいたい。

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