中野信治が語るF1日本GPの見どころ。「ホンダにもチャンスあり」 (2ページ目)
PUに関しては、ホンダは日本GP前のロシアでレッドブルとトロロッソの4台に新しいPUを投入していますが、ソチでは鈴鹿を見据えて無理をしていない可能性はあります。鈴鹿はPUの性能もタイムに寄与するコースなので、ホンダがどれぐらいPUで攻めることができるのかが、勝負のカギを握ると思います。
日本の多くのファンは、ホンダが鈴鹿で勝つことを期待しています。もし実現すれば、91年のゲルハルト・ベルガー(マクラーレン・ホンダ)以来の母国GP制覇となります。もちろん僕も日本人のひとりとしてレッドブル・ホンダが勝ってくれることを願っていますが、ドライよりはウエットになったほうがチャンスは増えると予想しています。
鈴鹿は、ドライコンディションではPUとシャシーのパッケージとしての高いバランスが求められます。その点ではレッドブル・ホンダは若干ですが、メルセデスとフェラーリに劣っている印象です。
でも雨になれば、ホンダのPUのドライバビリティの良さを生かすことがきますし、マックス・フェルスタッペンは雨が得意です。レッドブル・ホンダが勝つ可能性はかなり高くなると思っています。
日本GPの舞台となる鈴鹿は過去の戦績を見ると、ポール・トゥ・ウインになるケースが多い。中高速のコーナーが多いため、ハードブレーキングをするコーナーがないので、追い抜きを仕掛けるのがすごく難しいからです。
1コーナーはDRS(可変リアウイング)があるので追い抜きは可能ですが、それでもかなり難しいと言えます。それ以外のオーバーテイクポイントはシケインですが、スプーン・コーナーを立ち上がって高速の130Rまでの間に結構なスピード差をつけないとなかなか仕掛けることができません。同じぐらいの走行スピードでは、イン側をおさえられてしまうと、どうにもなりません。
そんな抜きづらいコースだからこそ、土曜日の予選がドライバーにとってはすごく大事ですし、ファンにとっては面白いんです。メルセデス、フェラーリ、レッドブル・ホンダの"3強"によるポールポジション争いは僅差の勝負になると思いますが、ある意味、それ以上の接戦になるのがトロロッソ・ホンダを含めた中団グループの順位争いです。どのチームが3強の次に来るのか。そこはすごく楽しみにしています。
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