レッドブル・ホンダふんばり時。鈴鹿前2強へ追いつけ追い越せなるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「フェラーリと比べてストレートでも遅すぎたから、今日の僕らはこれ以上、どうすることもできなかった。昨日はストレート区間でもフェラーリと同等のペースだったのに、今日はほぼ1秒負けていたんだ。こんな状態では、予選で彼らと戦うことなんてできない」

 フェラーリの予選モードに関しては、その合法性が疑われ始めている。しかし、FIA(国際自動車連盟)も取り締まり切れていないのが実状で、ホンダが次の日本GPで投入予定のエクソンモービルの新型燃料・オイルをもってしても縮められる差ではないと、田辺豊治テクニカルディレクターは語る。

「多少は縮まるでしょうけど、『追いつけ、追い越せ』にはならないと思います。(燃料で追いつくには)今の差はちょっと大きすぎますね」

 今回のロシアGPでスペック4を新たに投入したホンダは、各サーキットに合わせたセッティングを最大限に煮詰めることのできる環境を整えた。

 だが、土曜のフリー走行では、トロロッソのダニール・クビアト車に搭載されたパワーユニットにトラブルが発生し、コース上にストップしてしまった。これは、今季初のトラブルらしいトラブルだ。もし、これがスペック4の根本設計に関わるトラブルだったとしたら、ホンダの今後のパワーユニット運用は大きく再構築を強いられることになる。

 しかし、スペック4はすでに4基が数戦の走行を経ているため、今回のトラブルは個体特有の誤差によるものではないか、との見方が強い。

「ドライバーが異常を察知して、バックオフして(スロットルを戻して)コースサイドに寄せました。ここまでスペック4を使って(トラブルなく)レースをやってきていますし、今回問題が起きたのは昨日入れたばかりのもので、(走った)距離的には非常に少ないですから、それを考えると根本設計に関わっているとは思っていません」

 レッドブルが2強チームに対して後れを取ってしまったのは、パワー面もさることながら、車体面の開発の遅れもある。

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