F1を目指す世界中の若手有望ドライバーが、いま日本に集まる理由 (2ページ目)
ただ、スーパーフォーミュラにはベテランドライバーが数多く在籍していることも事実だ。なぜならば、週末に走りこむ時間が少ないため、経験の浅いルーキーがすぐに結果を出すのは困難だからだ。
ところが、今年は違う。
開幕戦では、昨年までFIA F2で戦っていた牧野任祐(22歳/TCS NAKAJIMA RACING)が予選でいきなりポールポジションを獲得。デビュー戦でのポールポジションは、国内トップフォーミュラの歴史において初の快挙だった。決勝では不運なトラブルに見舞われるも、第2戦・オートポリスでは4位を獲得。チームメイトのパロウと同じく突出した速さを見せており、今後の活躍が期待される。
第3戦・SUGOでは、レッドブル・ジュニアチームの一員であるオーストリア出身のルーカス・アウアー(24歳/B-Max Racing with motopark)が3位表彰台を獲得。彼は元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーの甥で、何年も前からスーパーフォーミュラ参戦を目標にしてきたと言う。徐々にスーパーフォーミュラの扱いにも慣れてきており、シーズン後半戦は優勝争いに絡んできても不思議ではない。
また、アウアーのチームメイトであるイギリス出身のハリソン・ニューウェイ(20歳)も目が離せないドライバーだ。彼の父は、現在F1レッドブル・ホンダのチーフテクニカルオフィサーを務める「空力の鬼才」エイドリアン・ニューウェイ。時間があれば父親が息子の応援に駆けつけるなど、サポートも万全だ。上位を脅かす速さを見せるなど、こちらも後半戦の走りに注視したい。
そしてこの第4戦・富士では、ルーキードライバーのメンツに大きな動きがあった。レッドブル・ジュニアチームの一員で、将来有望株だったイギリス出身のダニエル・ティクトゥム(20歳)の離脱が明らかとなったのだ。マカオF3を2年連続で制し、F1のテスト走行も経験していたティクトゥムだが、スーパーフォーミュラでは結果を残せず大苦戦。レッドブルはシーズン終了を待たずに見切りをつけた。
その代わりに起用されたのが、メキシコ出身のパトリシオ・オワード(20歳/TEAM MUGEN)だ。昨年、北米のインディライツ・シリーズでチャンピオンを獲得し、今年はインディカーやFIA F2などにスポット参戦していた。そこでの活躍が目にとまり、スーパーフォーミュラ参戦の話が舞い込んできた。
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