レッドブル・ホンダ2連勝の可能性。イギリスGPも暑くなってほしい (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ホンダの『エンジン11、ポジション5』という指示が話題(※)になったが、実際にはその2周後に、『エンジン11、ポジション7』までパフォーマンスをさらに向上させている。

※前戦オーストリアGPでフェルスタッペンが2位に浮上した際、チームから『エンジン11、ポジション5』という指示が無線で伝えられた。この内容は、耐久性を犠牲にしてでもエンジンをハイパワーで稼働されるハイリスクモードに変更してトップを狙えという指示だった。

「オーストリアでは暑かったから、他のチームはああいうモードを使うことができなかった。だけど、僕らは使えた。別に新しいことじゃないよ」(フェルスタッペン)

 ホンダは、パワーユニットの状況を慎重に注視しながら、通常よりも高い負荷がかかるのを覚悟のうえで、次戦分のライフを「前借り」する形で攻めたセッティングに切り替えた。

「コンディションを見ながらどこまでプッシュできるのか、それをどこまで使い続けられるのかを判断しながら、最後のひと押しで最大パフォーマンスを出せる使い方をしました」(田辺テクニカルディレクター)

 シルバーストンでは、そこまで極端に攻めたセッティングを使うつもりはなさそうだ。だが、優勝のチャンスが目の前に見えてくれば、前戦のように腹をくくって攻めていくことも考えられる。

 いずれにしても、レスドラッグの空力パッケージがきちんと機能することを前提に、前戦のように暑いコンディションになれば、レッドブル・ホンダにも可能性が芽生えてくる。

 現時点で、今週末のシルバーストンは連日最高21〜23度で、土曜日には雨の予報さえある。先週まで気温が30度を超す猛暑に見舞われていたイギリスだが、地元の人に言わせれば、「太陽の今月のエネルギーはもう底を突いた」らしい。

 しかし、もし来月分を「前借り」してシルバーストンを熱く照らしてくれれば、レッドブル・ホンダにとってそれは大きな天の恵みになるはずだ。

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