スーパーGTで好調のレクサス。
でもなぜ速いのか謎で「正直、気が重い」
2019年のスーパーGTは、早くも折り返しを迎えた。6月29日、30日には、タイ・ブリーラムのチャーン・インターナショナル・サーキットで第4戦が開幕。結果は第3戦・鈴鹿に続き、レクサス勢が表彰台を独占する強さを見せた。
6年ぶりにスーパーGTで優勝を果たしたWAKO'S 4CR LC500 タイでのスーパーGT開催は、今年で6回目。GT500クラスでは過去5年間のうち4勝と、レクサス勢が得意としている。前回の第3戦で表彰台を独占したことによって、レクサス勢のウエイトハンデはさらに多くなり、さすがに今回は苦しむのではないかと思われた。だが、そんなことはまったくなかった。
そのなかでも、とくに際立った速さを見せていたのが、ナンバー6のWAKO'S 4CR LC500だ。
GT500クラスで過去3度のチャンピオンに輝いた脇阪寿一監督が率いる6号車は、今年、エースの大嶋和也の新パートナーに山下健太を起用した。さらに、昨年スーパーフォーミュラで山本尚貴をチャンピオンに導いた阿部和也エンジニアをホンダから引き抜き、より強固なチーム体制を築いている。
そんな6号車が、今季一番の勝負どころとしていたのが、このタイラウンドだ。
「前回の鈴鹿は調子がよかったので、みんな『優勝しよう!』という雰囲気になっていました(結果は3位)。ただ、僕のなかでは『一番狙わなければいけないのはタイだよ』とずっと言ってきました」(脇阪監督)
その言葉どおり、6号車は予選でポールポジションを獲得すると、決勝でもナンバー36のau TOM'S LC500(中嶋一貴/関口雄飛)、ナンバー37のKeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ)の猛追を振り切り、先頭でチェッカーフラッグ。チームとしては2013年の最終戦・もてぎ以来6年ぶり、そして脇阪監督は就任4年目で初の優勝を手にした。
タイのコースは、相性的にレクサス有利という部分はあった。ただ、それを差し引いても、ホンダと日産が予想以上に低迷した状況も気になった。
1 / 3