レッドブル・ホンダのグリップ不足に解決の糸口。次はチャンスあり (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 すでにチーム首脳陣が認めているとおり、RB15はダウンフォース量が不足している。昨年型よりも進化していることは間違いないが、ライバルたちに比べると負けているのだ。

「僕自身はこのクルマで気持ちよく走れているし、できる限り速く走っている。オーストラリアだって予選4位というすごくいい仕事ができたし、バーレーンの5位もすごくよかったと思う。去年のクルマよりいいマシンであることは間違いない。問題は、それが単純に(ライバルと比べて)速くないというだけのこと。その問題はバーレーンGPの前にわかっていたことだよ」(フェルスタッペン)

 木曜の上海のピットレーンでも、レッドブルのピットガレージからはリューターでパーツを削る音が鳴り響き、新たなパーツを持ち込んで、現場合わせで調整している。レッドブルにしては珍しい光景だが、そのくらいギリギリのタイミングでも、なんとかアップデートができている証だ。

 ただ、主にリアのダウンフォース量が不足しているようだが、これがすぐに解決できるとはチームも考えていない。バーレーン合同テストでは問題解決のためのプログラムも行なわれ、そのデータをもとにスペインGP以降に向けて対策アップデートの最終準備が進められているところだ。それが投入されるまでは、現状のマシンをベースに可能な限りの小変更を加えながら戦うしかない。

 開幕から不振にあえいでいるピエール・ガスリーにとっては、レッドブルの特殊なマシン特性・挙動と自分のドライビングスタイルを合致させるという課題も抱えている。

「トロロッソは(挙動の)予測ができるマシンだったし、自分の思うように走ることができた。だけど今は、クルマに乗っていて気持ちよく走れないし、予測が難しくてすごくトリッキーなときがある。それが今、もっともどうにかしないといけないことだ。

 バーレーンGPのあとにエンジニアとともにいろんなことを見直して、学べたこともたくさんあった。僕のドライビングスタイルに特化してマシンのセットアップを改善するため、やるべき方向性も見定めた。だから、それが今週末につながればと思うよ」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る