佐藤琢磨も感嘆。インディカーに18歳の史上最年少ウィナー誕生 (4ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 昨シーズンの最終戦でデビューした時には、目立った走りを見せることができなかった。しかし今回は、キャリア35勝の元チャンピオン、パワー、現在の若手最強ドライバーで、キャリア5勝のロッシらとのポジション争いを展開。ベテランのような落ち着いた戦いぶりを見せ続け、最後のリスタートからは2017年チャンピオンのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)を突き放して、堂々たるゴールを実現した。

 アメリカのインディカーファンはドライバーの出身地や国籍にこだわらない。彼らの心を掴むのは、ライバル勢を圧倒するスピード、勝利に対する貪欲さといった個性だ。新しいアメリカ人ウィナーとしてCOTAで大歓声を浴びたハータ。不慣れな記者会見では、声も小さく、言葉数も少なかったが、内に秘めた自信と闘志には並々ならぬものがあるようだ。今後、どんな戦いぶりを見せ、どんなキャラクターを確立して人気を獲得していくのか、とても楽しみだ。

 インディカー参戦10シーズン目を迎えている佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、予選のアタックラップが他車のクラッシュによる赤旗で計測されず、14番手からのスタートとなったが、1回目のピットストップを早めに行ない、残り周回は3セットのソフトタイヤで押し切る作戦が奏功し、ポジションを着々と上げていく戦いを披露した。

 最後のピットストップでのエアジャッキトラブルで順位を落としたが、ハータを優勝に導いたフルコースコーションは琢磨にも有利に働き、リスタート後に1台をパスして7位でゴールした。その彼も、「今年のルーキーたちは元気がいい。負けないように頑張らないと」と話していた。

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