2019.03.20

苦労が報われたホンダF1。
開幕戦3位表彰台も喜んでいる場合じゃない

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

歓迎を受けながらパドックに戻ってくるレッドブル・ホンダ レッドブルの冷静なレース戦略と、金曜&土曜フリー走行のロングランデータ分析による決勝ペースの自信、タイヤマネジメントの巧みさ、そしてホンダのパワー……。それらすべてが噛み合って初めて成し得た、3位表彰台獲得だった。

 ただ、パワーだけでフェラーリをねじ伏せたわけではない。実体以上に見た目がよく見えてしまっていることも、また事実である。

 まったく同じパワーユニットを搭載するトロロッソに目を向ければ、チーム関係者いわく「予選で6位・7位を狙っていた」ほどの実力があったにもかかわらず、Q1からQ2への路面グリップ向上と路面温度低下をアグレッシブに予想しすぎて遅いタイムしか記録できず、Q3進出のチャンスを棒に振った。

 決勝でトロロッソは、ダニエル・クビアトが後方スタートとなったレッドブルのピエール・ガスリーを抑えて10位入賞を果たした。だが、どれだけ優れたパワーユニットがあってマシン性能が高くとも、レース週末全体の運営という意味で現状のトロロッソのチーム力では10位に終わった、ということでもある。つまり、レッドブルのチーム総合力があってこその3位表彰台獲得だった。

 しかしレッドブルは、バルセロナ合同テストからマシンの熟成不足に悩んでいる。メルセデスAMGがセッティング面での問題を解決して大幅に速さを増したのに対し、レッドブルはまだ車体に問題を抱えたままだ。

 予選のアタックラップを見ると、メインストレートエンドの最高速はメルセデスAMGの319 km/hに対し、レッドブルは320 km/hとほぼ同等。しかし、高速のターン11通過速度はメルセデスAMGの260 km/に対し、レッドブルは254km/hと差が開く。低速のターン3ではメルセデスAMGの102 km/hに対してレッドブル98 km/hと、昨年のレッドブルの強みであった低速コーナーでもメルセデスAMGに後れを取っている。

 これが、レッドブルのヘルムート・マルコが語る今の課題だ。

「メルセデスAMGとのギャップが縮まったことには非常に満足している。予選に比べて、決勝ではこれだけギャップを縮めることができたんだから。